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五木寛之と天野篤の対談インタビュー
日時: 2019/01/02 22:15
名前: 五木寛之と天野篤の対談インタビュー

【特別対談】五木寛之×天野篤「人生100年時代を生き抜く」
(2019年1月1日 ゲンダイネット)


作家・五木寛之(いつきひろゆき)氏と、天皇陛下の執刀医を務めた心臓血管外科医・天野篤(あまのあつし)氏が語る。


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五木寛之 ; 一昔前、「3K」という言葉がありました。きつい、汚い、危険の頭文字をとった、過酷な労働環境を表した言葉です。人生100年時代が目前に迫っているいま、新しい「3K」を考えてみたんです。健康、経済あるいは金、孤独。この3つに現代人の不安や焦燥が集約されていると思う。その中でも、トップにくるのは健康の問題ですよ。

天野篤 ; たしかにそうですね。健康とどう折り合いをつけながら生きていくのかが、これからますます重要になってきます。

五木寛之 ; 人生100年時代とはいっても、ただ100年生きるということと、健康寿命を維持するということは別ですからね。経済学者のピケティが富の格差のことを問題にしていたけれど、いまいちばん大きな問題は健康の格差なんですよ。

天野篤 ; いわゆる平均寿命と健康寿命の差は10年くらいあります。いまの時代、自分で病気に関する知識や情報を入手して、あふれ返る健康情報をどのように自分に合った形で取り込むかというのが非常に大切です。

五木寛之 ; 僕はどちらかというと健康に気を使っているんです。ただ、気を使ってはいるけれども、趣味として、あるいは道楽として「養生」をやっている。目を三角にとがらせてやっているんじゃなくて、面白いからやっているんです。もう、あまり神経質に健康、健康と大騒ぎするよりも、健康そのものを自分の「体との対話」として、面白がってやるほうがいいような気がします。

天野篤 ; 健康や元気という状態と手をつなぎながら歩くみたいな感じですか?

五木寛之 ; そうですね。中には健康ノイローゼみたいな状態になっている方もいらっしゃいますからね。人間の生き死にっていうのは、ある意味では他力というか、自分の努力じゃ及ばないところがあるんだというあきらめは置いておいて、それでも、たとえ明日死ぬと思ってもやるのが養生だと考えています。

天野篤 ; 五木さんは、健康に関しての予知能力がおありですよね。以前、お話をうかがった際、健康や病気についての危機管理をこんなふうにされているんだなと感じたことがあります。まず、そうしたテーマを文章化する際にいろいろな資料を取り込まれて、情報を自分自身で管理されているということがひとつ。それプラス、前方に向かってライトみたいなものを照らして、先を見ていらっしゃるんじゃないかなという気がしたんです。

五木寛之 ; 健康についての予知能力はありますね。日々、それを一生懸命磨きながら、老後の楽しみにして生きているんです(笑い)。

天野篤 ; 五木さんとは違って、高度経済成長期から現在に至るまでの社会を担ってきて、いま高齢になった方々のほとんどは健康に対してまったく無防備なままここまで来てしまった。会社に貢献するとか、個人の利益を大きくするとか、家族を幸福にするとか、そのくらいの目標だけをまっしぐらに見てやってきたわけです。医者をやっていて、そういう方々をたくさん診てきた中で、本当に惜しい、こんなことがあってもいいんだろうか……と思わされた病気が胃がんなんです。

五木寛之 ; ほう、胃がんですか。

天野篤 ; バリバリ活躍されていた方が胃がんでアッという間に持っていかれてしまったり、手術は成功したんだけど1年、2年後に再発して、痛い苦しい思いをしてひっそりと亡くなられる方々をたくさん見てきました。

五木寛之 ; 胃がんというと、いまはもう耳慣れているせいか、意外な気がしますね。でもたしかに、アナウンサーの逸見政孝さんのご病気も話題になりました。

天野篤 ; いまの日本では胃がんはかなり克服されていますが、そうした方々を見てきて思うのは、病気に引っかかって道から外れていく人がいる一方で、運よく引っかからないで年を重ねて元気に過ごされている方がいらっしゃる。そうした理想的な、みんながうらやましく思うような道を選ぶためには、ただあるがまま自分自身で健康だと思いながら生きていることがいいのか。それとも、何かそのために必要な手だてをとるほうがいいのか。医者としては、ちょっとよくわからないところがあるんです。医者は病気の方はたくさん診ていますけど、健康な方はあまり診ていないものですから。

五木寛之 ; やはり、健康というものを道楽として面白がって養生して、自分の体と会話を交わしつつ生きていくのがいちばんいいんじゃないかと思いますね。

五木寛之 ; 実は去年、天野さんのご紹介で戦後72年間で初めて一般の病院に行ったんですよ。左脚が痛くて歩くのもつらかったもんだから。歯医者は別として、大学へ入学する時にレントゲン写真を撮られたのが唯一の被曝体験で、泣きながら軍門に下るみたいな感じでね(笑い)。そこでいちばん最初にビックリしたのは、入り口の広いホールに集まっている患者さんの数でした。こんなにも病人がたくさんいるのかとショックを受けましたね。医学が進歩したら病人は減るはずなのに、なぜこれほど増えているんですかね。

天野篤 ; ひとつは日本人は薬が好きだということでしょうか。

五木寛之 ; なるほど。

天野篤 ; 日本の薬はよく効きます。で、全体が高齢化していることもあって、体の不具合に対して薬に頼る人が増えているんです。まずは自分自身で健康管理からというところから入る人はあまりいませんね。どこか悪くなったら病院にかかればいいやという文化がつくられています。

五木寛之 ; たしかに、薬が好きだとか、病院にお任せしますという傾向はありますね。この間、シルバー川柳を読んだんですが、「朝起きて調子いいから医者に行く」って作品があって、笑っちゃいました。

天野篤 ; 病院に行っていつものメンバーが来ていないと、「あいつ具合悪いんじゃないか?」みたいな感じですね(笑い)。

五木寛之 ; もうひとつ、病院で感じたことがあるんです。ノーベル医学・生理学賞を受賞した京都大学の本庶佑さんもそうだけど、いまの日本はがんとか脳とか心臓とか、医療の最先端ですごくがんばっています。ただ、日常的な体の不快感とか不具合ってあるでしょう?

天野篤 ; ええ。

五木寛之 ; 足が痛いとか、腰が痛いとか、寝汗がひどいとか、耳鳴りがするとか、そうした些末な不具合を抱えている人がものすごくたくさんいる。でも、これはなかなか病院では解決してもらえないんですよ。それで結局、どこへ行くかというと、整体に行ったり、カイロプラクティックへ行ったり、鍼灸へ行ったり、いわゆる健康難民が街にあふれているわけです。

天野篤 ; 目が見えなくなるとか、耳が聞こえなくなるとか、歩けなくなるとか、機能障害が起きて、いまできていることができなくなるということのほうが、自分の命がなくなることよりも恐れている方はたくさんいらっしゃいますよね。

五木寛之 ; 生活の質が落ちるのは苦痛ですからね。

天野篤 ; ですから、それを取り除くために生活習慣の改善から入って、どういう病気がどういうことで起こってくるかを啓蒙して、症状が表れた場合にはそれに対して診断、治療をする。その後は再発しないように継続療法またはリハビリを応用して健康寿命を延ばすという取り組み方がいまの医療の骨格になっていると思います。

五木寛之 ; 軽度の苦痛が人生を不快にしている部分があって、そういった些末な不具合をなんとか対応してくれるような医療専門機関がもっとあればいいなと思うんですよね。

五木寛之 ; これからの時代は、氾濫する健康情報をきちんと見極めて活用する「ヘルスリテラシー」を身につけることも大切です。いわゆる健康常識というものはだいたい10年ごとにどんどん変化していくんです。ひと頃は炭水化物を拒絶する人が増えたけれども、今度は逆に取らなきゃダメだという人が出てくる。メタボだって諸悪の根源のように騒がれていたのに、いまはちょっと小太りの人のほうが長生きするなんていわれている。朝令暮改じゃないけど、一般の人たちは困ってしまうわけですよ。なんだかデタラメなことにとらわれて右往左往しているっていう現状ですよね。

天野篤 ; 健康情報を見極める指針となるのは、五木さんのように自分の体の声を聞くことでしょう。その健康情報は果たして自分に合っているのか、その手応えがあるのかどうかを確認する。活動量が少ないお年寄りだと、何をもって合っているのかどうかがわからないから、日常生活の中でモニタリングできる項目をいくつも持っておく。一日数千歩は歩くことを習慣にしたり、睡眠、食事、排泄などの状態を確認しておくと、そこから体の変調がフィードバックされて気づくことができる。そういう日常を送れるかどうかで大きく変わってきます。

五木寛之 ; 僕は朝起きたときと寝る前に体重を量って帳面につけているんですが、だいたい20歳くらいの頃の体重と1キロくらいの差でずっときていますね。

天野篤 ; それはすごい。それが五木さんがスーパーマンである秘訣ですよ。

五木寛之 ; よく、「ピンピンコロリ」が理想の死に方だといわれますが、僕は「ピンピンジワリ」のほうがいいねえ。コロッと逝くと後の始末もできないですからね。1年も2年も前から自分の死期を予想して、その準備をするというのはしんどいですし、そんな面倒なことはしたくない。ジワーッという期間がせめて1週間くらいは欲しいですね。

天野篤 ; 僕は「ピンピンコロリ」という言葉自体に嫌悪感があるんです。「死」というものに対して準備をしたり、あらがったりできる動物は人間だけだと思っているので、最期の最期になって自分で「ああ、いよいよ来たか」っていう受け入れ方ができる終末がいいんじゃないかと思っています。それに、「ピンピンコロリ」は残った人をむなしくさせるんです。何かできたんじゃないか、予兆に気づけたんじゃないかとか、それは後悔ですからね。死を受け入れるための考える時間を持てるというのも、人間だけに与えられたものだと思うんです。

五木寛之 ; なるほど。

天野篤 ; たとえば末期がんで、自分はもう十分に生きたからもうこれ以上の治療は必要ないと考える人がいまは40%くらいいます。それがこれから何年かのうちに60%、80%になっていけば、がん治療は患者さんに寄り添った治療になったといえるんじゃないでしょうか。一人一人が納得して死を迎えられるよう、自分の人生を振り返る時間を持てるようにする。これからの医療はそういう方向に進歩していかなければならない。そうでなければ、日本は本当の意味で豊かな高齢化社会を迎えられないような気がします。

五木寛之 ; あらためて考えると、えらい時代に生まれたもんだね。地図のない旅に出かけるようなものですから。ただ、未曽有の体験をするわけだから、ある意味では月に行くようなスリルとサスペンスがありますよ。


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