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中国とロシアが、ドナルド・トランプ大統領を支持する理由
日時: 2016/11/09 19:10
名前: 理由

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米大統領選の開票が日本時間の2016年(平成28年)11月9日午前8時から始まった。激戦州のフロリダ州などを共和党のドナルド・トランプ候補が制するなど、民主党のヒラリー・クリントン候補優勢とみられた事前予想を覆す、波乱の展開となった。ここに至った背景には何があるのか。作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏が週刊東洋経済11月7日発売号『日米関係の大不安』に寄稿した分析記事を一部転載する。


(*)中国とロシアは、なぜ「トランプ支持」なのか
(2016年11月09日 佐藤 優 :作家・元外務省主任分析官)


米大統領選挙でのゲームのルールは非常に簡単だ。既存の秩序が維持されたほうがいいと思う人はクリントン候補を支持。秩序が変わったほうがいいと思う人はトランプ候補支持だ。特に、「自分たちは社会に虐げられている」と考えている製造業従事者や米国中・南部で白人がトランプ候補を支持した。

世界各国で見ると日本やEU、韓国はクリントン候補が大統領になればいいと思っている。一方、ロシアや中国、北朝鮮はトランプ候補になればと思っている。

私が日本国内での米大統領選の見方でとても気になるのは、二重の意味での大きな偏見があることだ。一つは、米国のエスタブリッシュメントの見解が入ってくること。そして、「トランプは嫌だ」という短絡的な思いから、トランプ候補がカリカチュア化(人物の性格や特徴を際立たせるため、グロテスクに誇張したり歪曲を施したりすること)されすぎていることだ。それゆえに、なぜドナルド・トランプ候補が共和党候補として支持を集めたのかが見えてこない。

トランプ候補の唱える孤立主義は、米国の底流にあるもので、それが彼によって顕在化したことを過小評価してはいけない。米国が孤立主義から脱却したのは第2次世界大戦後のことだ。自分の国に害が及ばないかぎり、ほかの国に何があっても関係ない。そんな孤立主義の考え方は、やはり今の米国人にとって魅力のある思想なのだろう。

一方のクリントン候補は弁護士出身であり、それゆえに「折り合い」をつけたがる。実際に選挙戦では、TPP(環太平洋経済連携協定)批判などトランプ候補寄りの主張もした。どちらにしても孤立主義的な傾向が米国で強まっている。

このような見方は、日本でも英語やフランス語、ドイツ語空間だけに触れているとわからないかもしれない。私のようにロシア語空間に触れている人間ならすぐわかる。あるいは、中国語やアラビア語空間の人でもわかるだろう。これらの語学空間の人は、トランプ候補をカリカチュア化しない。その分、彼らのほうが冷静に米大統領選を分析していると思う。

本稿執筆時点(10月下旬)ではクリントン候補が優勢だが、彼女が勝利したとしても、トランプ的な孤立主義は残る。日本が気をつけなければいけないのは、米国との関係が非常にデリケートになるという点だ。日本側から大きな変更を仕掛けると、それがとんでもない連鎖を引き起こし大嵐となって日本に押し寄せてくるかもしれない。現段階で最大の懸念は、北方領土の問題だ。

現在、1956年の日ソ共同宣言をベースに日ロがまとまるという観測が強まっている。歯舞(はぼまい)諸島・色丹(しこたん)島の二島返還か、あるいは択捉(えとろふ)・国後(くなしり)両島を含めた四島返還かが交渉の焦点だ。また日ロ間の経済協力強化で返還交渉が前進するという観測もある。だが、この過程で重要なファクターが日米関係であることが忘れられている。

日米安全保障条約第5条は「日本国の施政の下にある領域における、(日米の)いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続きに従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する」となっている。すなわち、日本の施政が及ぶすべての領域で、日米は共同で防衛に当たるということだ。

現在の歯舞・色丹には日本の施政が及んでいない。だから、米軍が展開する場所ではない。返還されれば、日本の施政が及ぶことになり、日米安保条約上、米軍が展開できるようになる。こうした場合、ロシアのプーチン大統領は素直に北方領土を日本に引き渡すだろうか。

仮に安倍晋三首相が歯舞・色丹を非武装地帯化・非軍事化することを一方的に宣言するとしよう。そうなると、ここに日米安保条約の適用除外、いわば空白地域ができることになってしまう。「日本のどこでも守る」と米国が言っても、「いや、ここはいいです」と日本が言わざるをえないことになる。「だったら尖閣諸島は守らなくてもいいのか」と米国は言うだろう。そして、「中国との関係を考えると、われわれは尖閣諸島を守りたくない」という事態もありうるのだ。

安全保障を日米同盟によって担保しているという日本の戦後レジームが、ここで崩れてしまう。「戦後レジームからの脱却」をうたってきた安倍首相は、日ロ関係を通じて無意識的にそこから脱却してしまうように動いているのだ。

首相はじめ官邸はかなりロシアに前のめりだが、日米関係の最大のカギはロシアなのだ。日本を取り巻いてきた地政学的な環境が、ロシアとの関係強化で大変化を起こすという構図を誰も見ていない。北方領土に関する日ロ交渉は、「二島か、四島か」といった次元ではなく、「日ロ提携か、日米同盟か」という重大な選択の問題だ。

安倍首相が「日米同盟はわが国の根幹であり、米軍が歯舞・色丹に来ることが原則的にありうる」と言って返還を実現できるのか。これなら日米同盟派としては満点だが、プーチン大統領がそれをのむかどうか。

「プーチンの狙いは経済だ」と日本では思われているが、それはまったく違う。ロシアを相手に経済的利益を得られるなら、日本企業はとっくの昔にやっているはずだ。しかも、ロシアは先進国でODA(政府開発援助)の対象でもない。ハイリスク・ノーリターンの可能性もありうる国で、日本企業がロシアとの関係改善を錦の御旗にして進出するのか。日本は社会主義の国ではない。

プーチン大統領には、もっと現実的な狙いがある。現在、アジア太平洋地域では米国が圧倒的な力を持っている。その力の源泉が日米同盟と米韓同盟だ。今回の日ロ交渉次第でその一方が崩れ、ゲームが変わってくれば、プーチン大統領にとってしめたものとなる。実は、これこそプーチン大統領の一番の狙いなのだ。

日本を属国と表現する向きもあるが、「属国」というのは米国の言うとおりにやるということだ。であれば、北方領土交渉なんてできない。オバマ政権はロシアが米国の選挙干渉のためにハッキングをしていると言っている。日本はそんな国と友好関係を築いていいのか。本当に米国の属国ならば、プーチン大統領を日本に呼べないはずだ。そういう意味で、日本は主権国家なのだ。

ただ、米国の死活的な利益に抵触するようなことを日本がすれば当然、干渉するはず。少なくとも今の日本とロシアの接近はそこまでのレベルではない。「どうぞお好きに」という感じでとりあえず傍観している。もっとも米国の内心は「日本がロシアと距離を縮めるのであれば、そういうものとしてわれわれも付き合うよ」ということ。

同盟国を不快に思わせていることを安倍政権はどこまで認識しているのか。同盟とは、条約を結んで終わりではなく、それを維持するために双方が努力するものだ。日本はそれを忘れている。北方領土交渉の結果次第では、今後の日米関係にきしみが生じる可能性は当然ある。



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