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社会学者、エズラ・ヴォーゲル氏へのインタビューテーマは「2050年の日本」
日時: 2016/04/18 18:29
名前: 2050年の日本の問題と予測

(*) エズラ・ヴォーゲル氏「世界的にも日本はとても良い社会」
(SAPIO 2016年5月号)


 社会学者エズラ・ヴォーゲル( Ezra Vogel )氏が、『ジャパン・アズ・ナンバーワン( Japan as Number One: )』を上梓したのは1979年。同書は日本人が戦後抱き続けた欧米に対する過度な劣等感を払拭させた。あれから37年、不況が常態化し、隣国・中国の成長を目の当たりにするなか、再び我々は自信を失いつつある。今回、ヴォーゲル氏に依頼したインタビューテーマは「2050年の日本」
世界的権威は、日本の行方をどう見ているか。

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 今、日本では様々な問題が指摘されており、日本の将来を懸念する声が多く聞かれています。しかし、私は、それほど深刻なものだとは思いません。世界的に見た場合、日本はとても良い社会だからです。確かに、今後、人口が減少していくことは問題ではあるでしょう。解決策として、労働者人口が高齢者人口を支えるためのシステムを作る必要はありますが、例えば、人口が9千万人になったところで、国土の大きさを考えればそれほど問題はない。

 自殺者やひきこもりの増加という問題もありますが、社会秩序の素晴らしさでは、日本には比類なきものがあります。私は、10年前から、自宅で、毎月、60人の学生を集めて塾を開き、日本の将来について勉強する場を設けているのですが、参加している日本人学生の姿勢には感銘を受けています。お互いにリスペクトし合い、人の意見に真摯に耳を傾けてくれるからです。一方で、中国人学生の方は、野心はあるものの、利己主義が強い傾向が感じられます。

 社会秩序の素晴らしさゆえでしょう、日本人学生に「将来どこに住みたいか?」ときくと「日本」という答えが返ってきます。一方、中国人学生の回答は「米国やオーストラリア、カナダ」です。

 中国は経済力では日本を超えましたが、貧困問題や環境問題を抱えて、不安を感じている人が多く、住み良い国ではないからでしょう。反対に、日本は、世界的にみても、格差は小さく、中産階級が多いとても住み良い国なのです。

 日本人の女性にも良い変化を感じています。30年前は、女性は男性並みにならないと社会に認められないと、焦りを感じていたせいかもしれませんが、男っぽい女性が多かった。しかし、今は、女性らしさを保ちながらも、男性と対等に議論できるような、優秀な若手の女性が育っているように感じられます。

 “住み良い国日本”ですが、日本株を買うかと聞かれれば、答えはノーでしょう。まだ近代化の過程にあって成長している中国と比べれば、日本の成長率はもう高くはない。拙著『ジャパン・アズ・ナンバーワン』を書いた頃は、日本には将来に向かって一歩一歩前進するという楽観ムードが漂っていました。子世代は親世代よりも良い生活ができると信じられた。しかし、現在では、将来を憂慮し、現状を維持できれば安泰と考えている日本人が多い。

 しかし、そんな憂慮は、現在トランプを支持しているような米国人が抱えている不満と比べたら、それほど深刻なものではないと思うのです。日本の生活水準は、決して低くはないのですから。


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